きさらづレトロ建築活性化委員会
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歴史ある建物を遺す意義とまちづくり

10月13日、埼玉県比企郡小川町で開催された「全国町並み保存連盟/小川町ゼミ」というものに参加してきました。(事例として、近日中に改めて当サイトに掲載いたします)

栃木県足利市、埼玉県行田市、埼玉県小川町における各市民団体によるまちづくり活動の報告、そして基調講演は、工学院大学理事長の後藤治氏が行いました。

このシンポジウムに参加して、少なからずショックを受けて帰って来ました。なぜなら、きさらづの現状を顧みると、そのあまりの違いに愕然としたからです。そこで改めて、なぜ歴史的な建物がまちに必要かを以下に整理してみました。

なぜ、歴史的な建物を保存、活用するか

現在、日本の街並みは、全国的に画一化する方向にあります。地方のどこにいっても似たような光景が広がっています。なぜそうなるかといえば、モジュール化したマンションや住宅によって景観の均一性が進展しているからです。

それが現代であり、また経済合理性にしたがえば、それは必然ということになります。街並みが、全国一律に画一化してゆくのは、「しょうがない、仕方がない、長いものには巻かれろ、諦めるしかない」、と傍観するしかないのでしょうか。

しかし、まちに住むのは人です。人には、経済合理性だけでは満たされないものがあります。それが「こころの充足」である、と思います。

それは、人間以外の他の動物にはないものであるのは言うまでもありません。

魅力=人の心をひきつける力

少子高齢化が進展する近い未来には、特別な魅力のない地方都市は、いま以上に疲弊するのが見えています。したがって、地方都市は人を惹きつける力=魅力を蓄えて、さらに磨くことが重要ではないかと思えてなりません。

人が一極集中する大都市東京は、立地、利便性、働く環境がある、という3大要素が人を集める要因となっています。一方、地方はそれを真似することは、ほぼ不可能であるのは言うまでもありません。

大規模工場やショッピングモールを誘致するのは、けっして間違いとは思いませんが、できれば同時並行的にでも「不易流行」の概念を生かしたまちづくりを行うことも重要なことではないか、と思います。

不易流行とは
いつまでも変化しない本質的なものを忘れずに、と同時に新しく変化を重ねているものを取り入れていくこと。

歴史ある建物を生かしたまちづくり

不易=変化しない本質的なものを、地方に当てはめると、それは歴史や文化ということができます。そして、それらを見える形として、現在に遺すのが、いまでは数少なくなった歴史の記憶を秘めた古い建物といえます。

地域の歴史を記憶し、現在に伝える古い建物は、現在のまちに潤いを与える、と同時に地域の価値を高める大きな要素を秘めた存在となりえます。なぜならば、歴史の記憶は、大規模工場にも、ショッピングモールにも代替えが効かないからです。

人の一生を超えて、なお残り続ける歴史ある建物は、現在に生きる私たちだけでなく、未来にいきる人たちに、その意味と価値を提供してくれるはずです。

現在、木更津市には、歴史ある建物が少ないとはいえ、まだ存在しています。その多くは、かつての繁華街である駅西口にあります。残念ながら、それらの建物は棟続きではありませんが、間違いなく歴史の記憶を継承し続けています。

木更津市において、「歴史ある建物を保存、活用する」という活動を説明すると、それは難しいという声が多数返ってきます。建物の所有者さん、あるいは地主さんなどが抱える諸事情を鑑みれば、当然であります。

また、市民のみなさまもそれほど関心が高いわけでもありません。そのような背景を考慮すると、諦めることが自明の理となる可能性が大でもあります。

しかし、歴史ある建物が消失(2〜3棟を除き)し、のっぺらぼうな特徴のないまちになったときを想像すると、寒々しく空しくなるばかりとなるはずです。港町きさらづという、キャッチフレーズも空虚な響きとなるに違いありません。

「しょうがない、仕方がない、長いものには巻かれろ、諦めるしかない」、という大多数の意見がありますが、しかしながら、正解はひとつではないはずです。

12月9日開催!まちづくりシンポジウム/川越蔵の会

当会では上記した背景を踏まえて、2018年12月9日に「きさらづまちづくりシンポジウム/川越蔵の会」を開催いたします。少しでも多くの市民のみなさまにご参加して頂ければ幸いであります。

基調講演は、川越蔵の会の理事である荒巻澄多氏によって行なわれます。川越再生で得た実体験に基づく、歴史ある建物を生かしたまちづくりを解説していただけると思います。川越ファンのみならず、貴重な講演となるはずです。

ちなみに、当会ではこのシンポジウムを通して、きさらづを川越のようにするつもりではありません。少し考えれば、そのような土壌も環境もないことは誰でもわかるはずです。そうではなく、川越に学ぶことは多くあるはずです。

とくに、長期的視点に基づいたまちづくりの考え方や、活動の精神性、実行力などです。それらのことは、建物の保存や活用だけでなく、まちづくり全般に生かすことができるはずと考えます。

当該シンポジウムへの参加をこころよりお待ちしております。よろしくお願い申し上げます。(Rの会より)

12月9日|まちづくりシンポジウム/川越蔵の会
会場/きさらづみらいラボ 開始13:00〜17:00
<参加申し込み方法>
参加費:500円(開催当日にお支払いください)
申し込み予約制:メール、またはFAXでお申し込みください。
メール宛先:info@r-nokai.com FAX:0438-22-3501

※なお、内容が一部変更になる場合があります。ご了承ください。
主催:Rの会/きさらづレトロ建築活性化委員会(非営利団体)

冒頭写真:木更津港の景観
撮影:村田賢比古

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