街にとってのストリートライブとは
ストリートライブは、実は単なる「路上での演奏」を超えて、都市の文化や経済、そして社会的なインフラとしての重要な役割を担っています。その意義を、いくつかの視点から以下に紐解いてみます。
1. 文化の民主化と才能の育成
ストリートライブは、劇場やホールといった「壁」を取り払い、音楽やエンターティメントをすべての人々に開放します。
誰にでも開かれたエンタメ鑑賞の場として
チケット代を払えない人々や、たまたま通りかかった人々も、質の高い音楽に触れることができます。これにより、街全体の文化的リテラシーが底上げされます。
才能の揺りかご、孵化器として
有名なアーティスト(ゆず、あいみょんなど)の多くが路上からスタートしたように、新人アーティストにとっての「実践的な修行の場」となり、都市の文化遺産を育てる土壌となります。
2. 経済的な相乗効果
音楽が流れる街角は、人々の足を止め、滞在時間を延ばす効果があります。
消費の活性化を促す
演奏に足を止めた人々が、近くのカフェで飲み物を買ったり、商店街に立ち寄ったりすることで、周辺の商業活動が活性化します。
観光資源としての魅力を増幅する
「あの街に行けばいつも音楽がある」というイメージは、観光客を引き寄せる強力なブランド(例:ナッシュビルやロンドン)になります。
3. 社会的結束と治安の向上
防犯としてのストリートライブ
意外かもしれませんが、ストリートライブは都市の安全やコミュニティ形成にも寄与します。
「街の目」としての機能
都市計画家ジェイン・ジェイコブズが提唱した「街路の目(Eyes on the street)」のように、パフォーマンスによって人の輪ができることで、死角や寂しい通りが減り、防犯効果が期待できます。
サードプレイスの創出
職場でも家でもない「第三の場所」として、見知らぬ人同士が音楽を通じて笑顔を交わす「心のゆとり」を生み出します。
4. 都市のアイデンティティ形成
その街独自の「音」や「風景」を作る要素になります。
無機質な空間の擬人化
コンクリートとガラスに囲まれた都会の広場に、生身の人間が奏でる音が加わることで、街に「体温」や「人間味」が宿ります。
課題とバランス
一方で、騒音問題や通行の妨げといった課題もあります。そのため、現代の都市では「ライセンス制」や「演奏時間のルール化」など、街とアーティストが共生するための新しい仕組みづくり(ミュージック・アーバニズム)が進んでいます。
まとめ
ストリートライブは、街を単なる「通過点」から、人々が足を止め、感動を共有する「居場所」へと変える魔法のような力を持っています。
大衆音楽、エンターティメントとはなにか
音楽と大衆音楽
当たり前のように隣にあるものですが、改めて言葉にしようとすると意外と奥が深いテーマです。
端的に言えば、音楽は「音による芸術」であり、大衆音楽は「その時代に生きる人々のための、親しみやすいエンターテインメント」です。もう少し詳しく、そのエッセンスを紐解いて、以下のように整理いたします。
音楽とは
音という素材で描く「見えない建築」、音楽を一言で定義するのは難しいですが、一般的には「リズム(節奏)」「メロディ(旋律)」「ハーモニー(和音)」の三要素を組み合わせて、感情や思想を表現する時間のアートと言えます。
本能的なもの
言葉が通じなくても、悲しい曲を聴けばしんみりし、アップテンポな曲を聴けば体が動く。これは人間に備わった共通の言語のようなものです。
非日常の創造
静寂の中に意図的な「音」を配置することで、その場の空気や聴き手の感情をデザインします。
大衆音楽(ポピュラー音楽)とは
時代の空気を映す「鏡」大衆音楽とは、文字通り「広く一般の人々(大衆)」に向けて作られ、楽しまれる音楽のことです。
19世紀後半から20世紀にかけて、録音技術や放送メディアの発達とともに爆発的に広まりました。主な特徴は以下の3点です。
親しみやすさとアクセスの良さ高度な専門知識がなくても、直感的に「いいな」と思えるキャッチーなメロディが重視されます。また、スマホやラジオなどで誰でも簡単に聴けるのが特徴です。
商業性とトレンド「売れること」も重要な要素です。その時代のファッション、悩み、憧れが色濃く反映されるため、後から振り返ると「その時代を象徴する記録」としての側面も持ちます。
ジャンルの多様性
ポップス、ロック、ヒップホップ、ジャズ、R&Bなど、私たちが普段「音楽」としてイメージするものの多くは大衆音楽に含まれます。
大衆音楽と伝統音楽やクラシックとの違い
大衆音楽:娯楽、共感、商業的成功メディア(ネット・放送・CD・ライブ)
クラシック:芸術的探求、伝統の継承楽譜による保存、演奏会
民族・伝統音楽儀式:コミュニティの結束口承(耳から耳へ)、地域行事
昔は「クラシックは高尚、大衆音楽は低俗」なんて言われた時代もありましたが、今やその境界線はどんどん曖昧となっています。
現代では、「自分がいいと思うかどうか」が一番の定義かもしれません。
ストリートライブ(路上ライブ)を行う方法
ストリートライブには乗り越える壁がある
ストリートライブを路上でかつ堂々と行うためには、実はいくつかの高いハードルがあります。しかし、最近では自治体が公認する「ライセンス制度」も増えており、以前よりはルールが整備されてきました。
主に「どこでやるか」によって、必要な許可が変わります。
1. 「道路(歩道)」で行う場合(難易度:極高)
道路でライブをするには、その場所を管轄する警察署に「道路使用許可」を申請する必要があります(道路交通法第77条)。
なお警察署に申請する前に、行政の許可が必要となります。なぜなら、道路は行政と警察が共同で管理しているからです。
現実的な問題
単なる個人のライブ活動に対して許可が下りることは、ほぼありません。
理由
道路はあくまで「通行」が目的であり、人が集まるライブは「交通の妨害」とみなされやすいためです。
リスク
無許可で行うと警察官から中止を求められます(道路交通法違反)。無視し続けると書類送検や逮捕に至るケースも稀にあります。
2. 「公園」で行う場合(難易度:中)
公園で演奏するには、その公園を管理している市区町村などの自治体に「公園使用許可」や「行為許可」を申請します。
留意事項
アンプの使用が禁止されていたり、事前の書面申請と使用料(数百円〜数千円程度)が必要だったりすることが多いです。
ストリートライブの探し方
「(自治体名)歩道 公園 演奏 許可」で検索すると、窓口やルールが見つかります。
3. 自治体の「公認ライセンス制度」
最近では日本でも「公認ライセンス制度」を導入する自治体が増えています。これを利用する(おすすめ)ことが、最も確実で、胸を張って活動できる方法です。
特定の場所を「演奏していいエリア」として開放し、審査を通った人にライセンスを発行する制度です。
<制度名/主な実施エリア/特徴>
ヘブンアーティスト 東京都(上野公園など)
年一回の厳しいオーディションがあるが、都の公認で活動できる。
街頭パフォーマンス 厚木市
神奈川県厚木市指定の場所で登録制(一部審査あり)
ポップアップアーティスト 名古屋
愛知県名古屋市市が用意した場所で演奏可能。
せんちゅうパル 大阪
大阪府豊中市商業施設の広場をストリート用に開放している。
きさらづエンゼルアーティスト 千葉県木更津市
2020年11月、木更津市で初となる公共空間を活用したストリートパフォーマンスの場が誕生しました。現在、木更津駅前2ヶ所で毎週日曜日に開催しています。ジャンルは、音楽とパフォーマンス(大道芸、他)があります。
その他/こちらをご覧ください
エンゼル通信|Vol.25 ストリートライブの登録制とルールについて
https://r-nokai.com/entry-146.html
「駅前なら大丈夫」という誤解
駅前広場は、駅の敷地(私有地)か道路であることがほとんどです。駅員さんや警察から注意された場合は、速やかに従うのがマナーです。
4. 商業施設のイベントスペースを利用する
駅ビルやショッピングモールの「フリーライブ枠」を狙う方法です。
これらは「道路」ではなく「私有地」なので、施設の運営会社と交渉し、許可(または出演依頼)を得ることで、集客もしやすく電源も確保できる場合があります。
GMOライブ(東京・用賀)
GMO LIVEは、文化と芸術が息づく街「用賀」から、才能あるミュージシャンたちに音楽を奏でる場を提供します。週末に、音楽と情熱に包まれる特別な瞬間をお楽しみください。
GMOライブでは、参加アーティストを随時募集してるようです。
https://tower.gmo/live/



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